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「平助っ、お浸しいただくぜっ!!」
「あ、おい!返せ!ぱっつぁん!!」
「新八~、米もらうぜ~」
「あ、ダメだ!米はよくない!良くないぞ、左之ッ!!」
「それより俺のお浸し返してくれよッ!!」
まーた、始まった…………
この人達は食事の度に食べ物の取り合いを始める。
いつもはここで土方さんが、うるせぇだのなんだの言って黙らせるんだけど。
今日はいないもんなー。
しょうがないっ、今日はちょっとご飯我慢だ!
「三馬鹿、煩いです!」
「だって、左之がよぉ………」
「情けない顔しないでください!永倉さんも藤堂さんのとったでしょ?」
「そーだ、そーだ!返せ!俺のお浸しッ」
「ほらっ、永倉さんはお浸し返す!原田さんも!お米返しなさいっ!」
『は~い………』
ノロノロと奪ったご飯を戻す二人。
「その代わり、私のをあげますから」
「え、良いのか!?」
「そしたら瑠華ちゃんの分が…………」
その謙虚さを他の人に向けてやれよ。おいコラ。
「良いですよ、私は皆さんより動きませんし、女子ですし」
「ありがとなっ!」
「悪ぃな!」
はぁ、まったく手がかかる!
子供が増えたみたいだっ!
「じゃあ瑠華は、俺とお浸半分こ、なっ?」
「藤堂さん……………!」
なんて優しいの……………!!
まるで菩薩のようだ!!
「じゃあ、僕もお浸しあげるっ!」
「……………そーちゃんは、食べていいよ?」
「何言ってるの!可哀想な瑠華に嫌いなお浸しを押し付けようと…………」
「へぇ?」
「嫌いなお浸し?押し付けようと?」
「そうそう……………って、平助!」
「ちゃんと、お野菜も食べなさいッッ!!」
「ちぇっ、は~い………」
ここにも子供がいたか……………
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