其の八

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「平助っ、お浸しいただくぜっ!!」 「あ、おい!返せ!ぱっつぁん!!」 「新八~、米もらうぜ~」 「あ、ダメだ!米はよくない!良くないぞ、左之ッ!!」 「それより俺のお浸し返してくれよッ!!」 まーた、始まった………… この人達は食事の度に食べ物の取り合いを始める。 いつもはここで土方さんが、うるせぇだのなんだの言って黙らせるんだけど。 今日はいないもんなー。 しょうがないっ、今日はちょっとご飯我慢だ! 「三馬鹿、煩いです!」 「だって、左之がよぉ………」 「情けない顔しないでください!永倉さんも藤堂さんのとったでしょ?」 「そーだ、そーだ!返せ!俺のお浸しッ」 「ほらっ、永倉さんはお浸し返す!原田さんも!お米返しなさいっ!」 『は~い………』 ノロノロと奪ったご飯を戻す二人。 「その代わり、私のをあげますから」 「え、良いのか!?」 「そしたら瑠華ちゃんの分が…………」 その謙虚さを他の人に向けてやれよ。おいコラ。 「良いですよ、私は皆さんより動きませんし、女子ですし」 「ありがとなっ!」 「悪ぃな!」 はぁ、まったく手がかかる! 子供が増えたみたいだっ! 「じゃあ瑠華は、俺とお浸半分こ、なっ?」 「藤堂さん……………!」 なんて優しいの……………!! まるで菩薩のようだ!! 「じゃあ、僕もお浸しあげるっ!」 「……………そーちゃんは、食べていいよ?」 「何言ってるの!可哀想な瑠華に嫌いなお浸しを押し付けようと…………」 「へぇ?」 「嫌いなお浸し?押し付けようと?」 「そうそう……………って、平助!」 「ちゃんと、お野菜も食べなさいッッ!!」 「ちぇっ、は~い………」 ここにも子供がいたか……………
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