其の八

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「そーちゃんさぁ、お野菜は食べた方がいいよ、ガチで」 新撰組の沖田総司、労咳で亡くなることでも有名だ。 そーちゃんの労咳を絶対に防ぎたい。 大切な人たちを守りたい、今までのようなもどかしい思いで涙は流したくない。 出来るならば一人でも多く、助けたい。 労咳の治し方も予防も、正直言うと分かんない。 けど、体調はいつもベストでいれば助かる確率も格段にUPするはずだ。 これが今、私に出来ること。 「がち………?」 「……あー、本当に!ってこと!てか食べなさい!」 「そう、瑠華ちゃんの言う通りだ」 近藤さんが頷く。 三馬鹿ですらいつもとは打って変わり、真面目な表情で頷いている。 そのことから、日頃そーちゃんの野菜嫌いを心配していることがよく分かる。 「宗次郎はもっと野菜を摂った方がいい、偏りのある食べ方は体に悪いぞ?」 「近藤さん…………」 「それにね、野菜には一杯栄養が入ってるの。 食べてれば病気とか防げたりするんだよ?」 ホントかよという目でそーちゃんが見てくる。 何だよ、その目は。失敬な。 そこで山南さんが口を開く。 「宗次郎、どうして野菜が苦手なんだい?」 まるで童に問いかけるような優しい声色。 流石、未来の“仏の総長”。 そーちゃんの失礼な態度でさえ忘れてしまいそうだ。 きっとこの人のこういう優しい所が、生まれ持った性格であり才能なのだろう。 「だって……苦いじゃないですか……」 こちらはまるで、言い訳をする童のようだ。
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