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「これで終わりだッ!魔王!!」
そう叫び右手に持った愛剣を強く握り直し、ボロボロの魔王に向かって駆け出す。
魔王の三メートルはあろうかという巨大な体躯は勇者の振るう剣によって無事な所などないくらいに傷ついている。
対する勇者も魔王の攻撃によって満身創痍だ。
右の脇腹には拳程の穴が穿たれ、左肩から反対の腰にかけて紅い線が深々と刻まれている。
その他にも全身傷だらけで一歩踏み出すだけで血が噴き出す。
生きているのが不思議なほどの傷を負いながらも、魔王へ止めを刺さん、と進める足を止める事はない。
深く傷つき、いつ事切れてもおかしくない体とは思えない足取りで魔王の前へと辿り着き、剣を振り上げる。
「ウォォオォオオオォオッ!!」
命を刈りとらんと走る剣は魔王の首を捕らえた。
そして……………
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