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友達の中にはもうファーストキスを済ませた奴もいた。
じっくりと話を聞かせてもらい、やはりそんなに良いものなら呪いが解けるかもしれないと思った。
勇気を出してマリアを誘った。
森へ薬草採取に行かないか、と。
鉱石採取に誘うという手もあったがそんな大人の錬金術師のような真似は出来ない。一泊するしかないからだ。
森でマリアが色々と質問してきて、優等生のヴィンは答えていた。
なかなかきっかけが掴めず、帰り際。
「ヴィン、今日はありがとう。あなたって本当に物知りね。助かっちゃった。何かお礼がしたいわ」
マリアの笑顔に、右手がカエル化。
「あら、ヴィン?どうしたの」
かあっと頭に血が上って、マリアの手を取った。
「え?」
いつも物静かなヴィンの目に、違う色を見てマリアの笑みが消える。
「マリア、キスしてもいい?」
真っ赤になって聞くヴィン。
マリアも赤くなって、身をよじる。
「やだ、いきなり何言うのよ」
「させて」
「ちょっと、ヴィン」
片手では押さえられない。
右手で、マリアの頬を固定する。
「ひっ」
マリアが冷たさに身をすくめた。
(あ)
「ごめん」
右手を引っ込める。
「違うの、ヴィン、びっくりしただけで......」
「いいよ、わかってる。君の心まではいらないから、とりあえず一回キスさせて」
「は?」
マリアの眉がつり上がった。
「ちょっと何よそれ」
(あれ僕、今何か間違ったような......)
「ヴィン」
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