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結局、どこも満室で達也は私のアパートに来た。
私が「うちに来て」と誘った。
星のない漆黒の空の下、彼は「ありがとう」と微笑んで私の唇に軽くキスをした
。
私の本能だけが、私を操っていた。
『寒いから、早く家に帰りたい』
帰巣本能。
『……目の前の男が欲しい』
平凡過ぎる毎日。一瞬でいいから、何もかも忘れて欲望に溺れかった。
おぼろな思考の中、達也と二人、酔客の溢れた下り電車に乗り、私は彼を自宅に招きいれた。
そして、久しぶりに男の前で裸になった。
でも、そこから先は本当に記憶がない。
達也に抱かれている最中、私は寝てしまったのだ。
朝、私が深い眠りから目覚めた時。
隣に裸の達也が私のぺちゃんこの布団で寝ていて、私は目の前の現実に驚き、猛烈に恥じた。
…散らかったロフト付きの八畳のワンルーム。
それは、本当にありのままの私だった。
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