酔鯨

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カーテンレールに掛けたままの洗濯物。 布団のすぐそばの小さな折り畳みテーブルには、置きっ放しのカップとパン屑のついた花柄の平皿。 紙くずの溢れたゴミ箱。 窓際に置いた餌や糞が残ったままの、既に主のいない白い中型ゲージ。 ……そして、なんの手入れもしていない私の身体。 一日、会社で仕事していたあとなのに、シャワーも浴びず、全てを晒してしまった。 成り行きで、付き合っているわけでもない男と。 布団から這い出た私は、下着姿のまま慌てて食器を流しに運び、洗濯ハンガーごと洗濯物を押入れに押し込んだ。 達也は、それを見ないふりをしてくれた。 けれど、私が小さなゲージをロフトに運ぼうと持ち上げた時、あっと声を上げた。 ーーそれ、何が入っているの? なぜか少し怯えた目で。
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