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それは、ブラジャーだけ着けた羅夢の上半身だった。
滑らかで透き通るような白い肌……
それは、まるで宝石に値するくらい美しいものだった。
『あの…どうしたんですか?』
思わず、私は凝視してしまっていた。
『あ…なんでもないわ。ごめんなさい』
羅夢の怪訝な視線に、さっと目を逸らし、作り笑いをした。
それ以降も、羅夢は着替えの時、上も下も脱いで、堂々とパンティとブラジャーだけの半裸の姿を人目に晒した。
いくら女同士とはいえ、普通、少し隠すものだ。
中年女ならまだしも、若い女なら尚更。
毎朝、羅夢はたいてい時間ギリギリにロッカールームに現れる。
肩までの乱れた髪で、ロッカーのドアを乱暴に開け、自分のバッグを放り込む。
ガン!バタン!ドン!
その荒々しい物音は、
時間がない、という理由だけではない。
すべてにおいてがさつなのだ。
終業後のロッカールームでも、彼女は、カーペットの床に座り込んでのんびり着替えながらも、そんな物音を立てた。
三畳ほどのロッカールームは女子社員専用だったから、私以外には、羅夢の立てる騒音に迷惑を被ることはなかった。
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