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「んあーー、うまかった」
俊輔はフォークをお皿にカランと置き、ごろりと横になった。
わたしに気を遣ったのか、お皿には大きめのイチゴが三個だけ残してある。
その中の一番小さな粒にフォークを刺したところで、
「……亜ー優ーたんっ」
「……」
突然の猫なで声に、わたしは知らん顔でイチゴをかじった。
「亜ー優ーたんっ」
「……なに」
「宿題、終わった?」
「……まだだけど」
「亜優さま。─いや、もはや亜優姫さまと言っても過言ではない」
「ちょっと、何さっきから」
俊輔はひょこっと顔だけ起こし、
「宿題、写させ」
「ダメ」
「……」
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