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前カゴに入れたスーパーの袋が、タイヤが弾むたびにかさかさと音を立てる。
川沿いの道を自転車でのんびり家に向かっていると、いつもの橋のところで自転車に跨って話し込む集団を見つけた。
─お兄ちゃんたちだ。
近づいていくと、兄と俊輔と拓己、それに宗方先輩も一緒なのが分かった。
大きすぎて自転車のカゴに収まらないため、みんな重そうなサッカーバッグを肩から斜め掛けしている。
「おー、亜優。買い物?」
俊輔が先に気付いて手を上げると、残りの三人も一斉にこちらを振り向いた。
「練習、おつかれさま」
傍まで行って笑顔で言うと、それぞれの口から、うぃーす、というまばらな返事が返って来た。
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