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「拓己はどうなんだよ。
さっそく章ちゃんて呼んじゃってるじゃないかよ」
「俺はいいんだよ、プライベートと部活はちゃんと切り替えるから」
「……」
口ではとうてい勝てない俊輔が、おもむろに拓己の脇腹をこちょこちょし始める。
「バッ、バカやめ、……やめろってっ」
実はくすぐりにめっぽう弱い拓己が俊輔の顔を押しのけ、自転車に跨ったままいつものように小競り合いが始まった。
─いいなあ。楽しそう。
ふざけ合う二人が遠く感じられて、わたしはちょっぴり寂しい気持ちになった。
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