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妙児はこの言葉を、特に都季に言い聞かせたかった。都季は、高慢になる気がしたのだ。この性格を正しておかねば、好かれる女にはなれないと思った。
一度、どこかで鼻をへし折っておく必要があるか――。
もしや厄介なことを引き受けてしまったのでは、という思いが沸きつつあった。
***
朝餉を終えると、妙児は塾に都季を同伴させた。
塾は敷地内の北西にあり、ここでは明光(めいこう)、冬谷(とうこく)という二人の指南役が、芸事、学門、作法を教えていた。
見習いは、塾の二階で寝起きする。
夜明けと共に布団を上げ、見習いに決められた浅葱の着物に袖を通すと、洗い場の井戸が下女に占領されてしまう前に、皆で連なって井戸へ顔を洗いに行く。そして、その足で調理場に隣接した食房へ行き、朝餉の粥を食す。
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