セメタリー

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――――――郊外 無縁仏墓地 ラフレシアから離れた荒野、東には交通量の極端に少ない高速 ジャンクションには一番近い筈のラフレシアの名は無く、遥か遠くの街の名が記されている 更に奥には森が広がり、その向こうには小さな飛行場があり現在コンロイが所有するピッド・ファイターが格納されているらしい 「さて……どうすっかな、ゾンビ1匹幾らにするか……ルー、ギルドじゃ相場は?」 「兄貴、ゾンビ1匹だけの仕事なんかねぇって……そうだなぁ、だいたいの埋葬者数とかは?」 「さぁなぁ……いつから使ってかもわかんねぇからな……いいや、1匹500ギドで」 「でも明かにアレ人間のゾンビじゃねぇよね兄貴……一律500じゃアイツらブー垂れんじゃねぇかなぁ……」 墓地とは殆ど名ばかりの死体を穴に埋める広場、墓石など数える程しかなく荒野に鉄柵の囲いがあるだけ 現在はその中に120体ばかりのゾンビが溢れている状態 入り口はたった1つ、冊の切れ目があるだけでドアも無い 腕を組み墓地を眺めるレガがトレードマークであるサングラスを外し腕時計に目を向け 隣では上半身裸のルーがウンコ座りで欠伸をしており、彼らの背後にはミルク色の貯水タンクがある 実はこのウラヌス、いわゆる恨み辛みを持つ死者でキチンと埋葬されなかったりするとゾンビ化する事がある 無論いくつかの条件はあるが特にこの墓場では多く2年に1度の割合でこの現象が起こるらしいがまだ完全には解明はされていない ゾンビ化現象の謎など興味が無い三法輪は現象が起こると白井印の結界でゾンビを閉じ込め、タンクにブッチのスキルで作った十字架をぶち込み、墓場の中のスプリンクラーで聖水を撒く事にしている 完全消滅とは行かないがゾンビは穴に戻り大人しくなるらしい
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