セメタリー

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「はー……一仕事だったな……俺もガスマスク買っておこうかな……」 やれやれとぼやくレガだが、星空のシュバルツトートの驚異は過ぎてない、新たな毒の排出は抑えられたが既に夜空に停滞している毒までは消せないのだ 「兄貴、落ちて来ますよ……どうしましょ?退避しときますか?」 「いや、オタクら暇だろ?橘君だったよな?……少し手伝ってもらっていいかな?……ルー、カボチャ野郎呼べ」 「なるほど……けど俺が呼んでくるかどうか……ガーベラなら確実ですが……うーん……あ、ガミさーん!!カボチャ野郎呼んでー!!」 「カボちゃん?いるのかなぁ?……きゃああああ!!助けてぇぇぇぇ!!カボチャんマーン!!」 ガサガサと森の葉が揺れ、ハロウィンのお化けカボチャが飛び出してきた 明らかに本物のカボチャの中身をくり貫いた物を頭部として、服の下は恐らく木製の人形、確実に見た目は人間ではない 彼もやはり中堅ギルド員の1人で名を蒼鷺というのだが、今の彼は蒼鷺ではなくカボチャんマン、ラフレシアの正義の味方らしい 普段の蒼鷺としての彼は普通のどこにでもいるラフレシアの住人と呼んでも差し支えないだろう 但しスキル使用中だけは正義に目覚める 彼のスキル、ウィル.オ.ウィスプは自身を人魂に変える能力、そしてその人魂の状態だと憑依能力が使えるのだが、何故か生物は憑依不可 「カーボカボカボ!!待たせたな!!ゾンビはこの私に任せるがいい!!さぁみんな隠れ……」 「おぉ蒼鷺、手伝え」 「……何を言っているのかな?私は……」 「いや、いいからよ、今それどこじゃないんだわ蒼鷺、な?手伝え」 「ん!!んん!!君は蒼鷺君が言ってたルー君だね!!確かに私と彼は親しいがね!!だからと言っ……」 「そうか、んじゃ蒼鷺に貸した金速攻で返せって言っててくれ……手伝ってくれたらもう少し待ってもいいんだがな」 「んん!!まぁ蒼鷺君も忙しいからな!!代わりにこの私が力を貸そう!!その代わりと言っては何だが……」 「わかったよ蒼鷺、もう少し待ってやる……んじゃ橘さん、お願いします」
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