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「カナタンだと……」
「バ……バカ……な……なぜ立って……ハッ!!惨事回避ぃいいいっ!!」
バシュッ!!とローションの上を滑りながらカナタと距離を空ける二人、もちろんカナのスキル有効範囲外へと退避だ
今のヌルヌル状態、カナタのスキルが発動すれば何の抵抗もなくスルンと入ってしまう、友達から一発で恋人に昇格すれば目も当てられない
「な、なんでカナタン無事なんだー!!」
「邪魔するなー!!」
カナタのスキルの有効範囲は約50メートルと長い、当然それだけ離れれば声は聞こえ難い
「ふむ……ローション」
そうカナタが呟き、手を幸継の頭に向けると、幸継に付着したローションが一滴残らず吹き飛んだ
別に突風があった様にも感じない、とにかくローションだけがビシャッと吹き飛んだのだ
良く見るとカナタの右手には掌側に虹色の石がハマった指環が装着されている
「ちぃ……けどヘケトのローション有効範囲は64メートル!!此処から……ローション!!ダイダルウェイブぅぅうううッ!!」
ローションの津波、巨大で重い津波だろう、衝撃としてはかなりの物のはずである
「くっ……これは本気で行くぉ…………標的ローション!!跳ね返すぉ!!」
即座にカナタと幸継がローションの津波に飲み込まれ姿が見えなくなるが、ローションの流れが変化した
カナタ達が立っていた辺りからローションが高く跳ね上がりながら流れていた
急流に大きな石があるかの様に流れが変わり
やがてそれは真上に向かい押し上げられ、更には逆流しだした
その元には右手を左手で抑えながらも歯を食い縛るカナタ、ポカンとする幸継
ローションのお陰でハッキリ認識できたのだ、カナタンを覆う半円、巨大なコンタクトレンズの様なバリア
それが初めはカナタを守っていたのだが、やがて逆に捲れローションを反対方向に押し返したのだ
「続いてぇ!!リリィ!!ゴッくん!!アディオスぉー!!跳ね返せぉカーバンクル!!アレはいらんぉ!!」
そのコンタクトレンズがそのままローションの流れを逆流しながら疾走、二人にぶち当たると、二人は荒野の彼方へそのまま押しきられた
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