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━━━━━━━━━━━━━朝
荒野の向こう側から金色の朝日が僅かな雲を纏い顔を覗かせる頃、疲弊仕切った中堅の面々が互いに顔を見合せる
動く者は無く、生きている者だけに許された朝日を浴びて
「終了……だよな?」
「あぁ、エイゼルの騒音も止んだしな、お達者なジィサンゾンビだったな……」
喫煙者はそれぞれ満足げな顔で煙草に火を灯し、女性陣も集まりシャワー浴びたらご飯行こうと実に逞しいものだ
「兄貴……終わりました、兄貴」
「ふぉ?………………あ、終わった?」
「はい、お疲れ様でした、俺はこれからマイトヤーレさん達を送って行きますが……兄貴、金の話スけど……決めてねぇすよね?」
「…………アクシデントがあったからな……テキトーでいいんじゃねぇかぁ?どうせ2番から出るんだし」
「兄貴、俺が殺されます」
ボソボソとアーティのワーゲンの中で話すルーとレガ、今から金の話など段取りが悪いのだが、何も彼らばかりを責める事は出来ない
レガもその辺りは客観的に見ているのか、責任を負うべき人物を思いだし電話を入れる
「オザス、寝てました?……えぇ、無事終わりましたよメノさん……それで金の話なんスけどね……えぇ、朝っぱらからスンマセン、今回は常用精算て事で……はぁ、ダメっスかぁ……んじゃ申し訳ないんスけどぉ……墓地の買い取りお願いします、あ、それとも直します?結構イクと思うんスけどぉ~……ざっと……まぁサービスで500くらいかなぁ?墓石もそんななかったし…………そう、カナタ……メノさんですよねまた……………………えぇ、じゃ常用で」
一人頭8000ギドの仕事だと彼らが知ったのは街に帰りメノから送られた一斉送信のメールを見てからだった
そしてノエルはその日、数年ぶりに休みだったようだ
━━━━━━おちまい
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