2354人が本棚に入れています
本棚に追加
/180ページ
深夜、もはや朝方だろうか
雷鳴轟き海は荒れ
雨は窓を狂った様に叩き続け
時おり光る稲光が窓の下で独り笑う少年を闇に浮かび上がらせる
「フッ……フフ……アハハ……なぁーんだ、簡単じゃないかぁ~……お金を稼ぐなんて簡単だよぉ……ウフフ……アハハ……もう封筒折りなんてやーめたっと」
彼の手に収まる茶封筒、そこから半分だけ飛び出た紙幣は、その少年が生まれてから手に持った事のない大金だった
そして少年は海賊帽をテーブルに置くと、折られるのを待っていた封筒が濡れてしまうのも構わずに、窓を開け笑った
「フフ……雨なんかに海賊は負けないのさ………ビジネスの時間さ、行くよブルーバック……ヨーソロー」
直ぐに彼は金を部屋に隠すと外へ飛び出し、濡れるのも構わず半裸で自転車に飛び乗った
最初のコメントを投稿しよう!