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「見失う?」
「あぁ、街から出られたら見つけるのは困難だからね、まだ出たのは確認されてない、それは確実……街の何処かに居る…………話はこんなとこかな、何かあったら連絡を、僕の番号教えとくよ」
中堅一同が話を聞き店を出た頃、ゼノエルド通りにあるこの街でも珍しい部類に入る「なんでも屋」のドアを叩く人物がいた
小さな愛らしい、けど疲れきり、僅かな階段でさえつまづく顔色の優れない少年
「…………どうした?具合悪いのか?」
ノックに応え出てきたあまり機嫌が良くなさそうな眼鏡、顔が見える程度にだけドアを開け答える、そのドアの隙間からは客でもいるのか騒々しい話し声
「人を探しているんです……」
「ギルド行け」
「……そ、その…………あまり持ち合わせがなく……こちらは良心的だと……」
ヨレヨレで泥の付いたら僅かな紙幣をぎこちなくポケットから裸のままで、眼鏡は暫く少年と紙幣を見比べた
「誰を探せばいい?期間は?」
「………この街の三法輪というところに所属していると……この写真の人物に似た人です……わかりますか?」
「まぁ……な……何の用があるかは知らないが……会うなら俺を同席させる事、ボディチェックもさせてもらう、いいか?」
少年は少し間をおいて頷き、眼鏡はドアを開いた
そのゴミだらけの室内に何人か人間がいたが少年は目もくれず、探していた人物を茫然と見つめた
「暁羅、メイ、ちょい外してくれ……仕事の話だ……アンタは残ってくれ、話があるらしい……雀、なんか食い物頼む……話が終わるまで倒れられちゃ困るからな、この依頼人に」
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「夜に探して見つからなかったなら昼間だろ……明日ムルギベルの噴水に朝8時でいいか?」
そう穴宮が提案し、ジャドワンサップの検問所で解散、だが穴宮は独りマズルカのラボへ向かった
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