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張り切り過ぎて既に見えなくなったワイズマンをゆっくり追う穴宮、薄茶色の照明が5階と6階のやはり薄茶色の本棚とテーブル、緩やかな夜想曲
穴宮の穏やかな時間、優雅に知識の森を歩く
「ご苦労様ワイズマン……あまり無いかと思ったら……読み終わる頃には俺もイタズラ爺様か……ワイズマン、そうだな……出来れば優しい本をピックアップだ、出来るだけ新しい奴がいいな」
ワイズマンの為に棚は頑丈に出来ており、奥行きがあり本は奥に置かれている
ワイズマンが棚を手摺にして本棚を器用に登り本を選び振り返ると穴宮に手渡す
「ありがとうワイズマン、よくやった……一緒に読むか?ホムンクルスに興味はおありかな?ゴーレムは」
クスクス笑い腰を折るとワイズマンの頭を撫でテーブルへ、ワイズマンは穴宮の横をチョコチョコ歩き、たまに穴宮を見上げる
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「ふー…………書いてあるのはどれも似たり寄ったりか……」
「また変わった調べものだな……お代わりいかがご主人様……図書館では帽子を取れよ」
「もう腹いっぱいだよ……うぉ!!」
「ハッピーハロウィン穴宮、集中すると鈍いなお前も」
お代わりのコーヒーを貰い、言われるまで気が付かなかった帽子をポンとテーブルに投げだすと、帽子に乗ってたカブトムシが羽ばたいていった、イタズラ坊主な爺様である
「ワイズマン、生活と精霊の区画にブックワームが居た、食って来い」
ワイズマンは別な仕事な向かう途中、カブトムシを見上げ名残惜しそうに走っていった
穴宮の調べた本にはホムンクルスとは遥か昔から人々の想像、フィクションの中に登場してきたらしい
正に古今東西、今は昔
ウラヌスのみならず地球でもフランケンシュタインなど有名人ホムンクルスがおりエンターテイメント色の溢れた人造生命体だ
作り方も多岐に渡り人骨を集めて香を焚くとか馬糞に血液やら髪の毛やら精子やらと、如何にもB級映画の題材になりそうな品揃え
「こんなもんでカナタができるか……まったく……」
独り黙りこみトボトボ帰ったカナタが脳裏に、誰の声も届かなかったが明日は来ると言ってくれてホッとした
「…………?……ホムンクルスと…ゴーレムの優位性……比較?」
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