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気がつくとヘリは墜落していた。
私と彼は身体を襲う激痛に顔を歪めながら外へと這い出る。
そこは、森が広がっていた。
アラガミの気配はなく、ひとまずは落ち着けそうだと思った矢先、布で全身と顔を隠した人が見えた。
小柄で150センチほどぐらいしかない。
見た目は華奢にも見えるので
顔が見れないが私と変わらないであろう年齢なのかもしれない。
「てめぇ、何もんだ?」
彼が警戒している? 確かにこの場に一般人はいるのは不自然だ。
彼なりに何か思うところがあったのだろうか。
「フェンリル極東支部元第一部隊隊長 楠ユウト及びフェンリル極致化技術開発局ブラッド元隊長アウラ・ローレン。あなたがたは邪魔なんですよ。」
なにを言っているの?
そんな思考さえさせてくれないまま相手は切りかかって来た。
「アウラっ! お前の武器だっ!」
彼が投げて来たアタッシュケースを受け取りつつ、そこから神機を取り出し装甲を展開させる。
それを見た相手は彼が自分の神機を取り出せていないことを確認すると彼の方へと向かい始める。
「舐めてんじゃねぇぞ?」
彼は着ていた服の内ボケットから錠剤を取り出し飲み込んだ。
見たことのない種類の錠剤をだった。
彼は己の身を一閃しようとする刃の側面を膝で蹴り上げ、目標を失った刃をもつ相手に蹴りをいれる。
「クッ・・・ッ!」
予想していなかった事態のようで、相手は近距離戦をやめ、銃形態のような構えを取り打ち始める。
彼はため息をつきながら発射された弾を全て躱していた。
「面白いことになってるね。」
相手の背後から声が聞こえた。
ここにいる誰でもない女性の声でユウトだけは嫌な顔をしていた。
「・・・ッ!?」
相手は回避を試みていたが神機による攻撃は躱しきれていなかった。
「・・・チッ。 やっぱりテメェかよ。」
「久しぶり、ユウト。」
彼女はクレイドルの制服・・・というか布をボロボロにして纏っていた。
「無視している暇があるのかっ! 貴様っ!!」
銃身を彼女のほうに向けるが、突然咳き込み始め、口からは血が溢れていた。
「毒か・・・っ!! クソッ!! ここは引かせてもらうっ!!」
そういうと人の領域を超えた速さで去って行った。
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