第ニ話 暗躍の影

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「んで? なんでテメェがいやがるだ?」 彼は彼女に向かって問いかける。 しかし、彼女は私を見て 「初めましてだね。 私はステファニー。 ステファニー・パードンと言います。」 「初めまして。 アウラ・ローレンと言います。」 お互い挨拶を済ませると彼のほうを見て 「今回のアーコロジー建設中の戦闘担当をやらせてもらいますね?」 彼女は微笑みながら言っていたが彼はいやそうな顔を隠そうともしていなかった。 彼女がと出会ってからなに一つ変わらない日々が続いてはいたが、ヘリの墜落後の謎の襲撃。 相手は女の子であることはわかったものの彼女が使っていた神機はリンドウと同じで生える形で形成されていた。 アラガミ化の進行を止めることが出来ているリンドウはともかく彼女は何故リンドウのような神機を使用していたのかがわからなかった。 「考え事か?」 「ええ、まぁ。」 そう答えると彼は、そうか。そう言って隣に座ってくる。 「ユウト、私とは一緒に座りたくないと言うのにアウラの隣には座るんだ。」 ステファニーに言われ嫌そうな顔をしていた。 彼女が来てからずっと嫌そうな顔をしているだけなのだが。 「テメェみたいな性格悪い女とコイツを一緒にすんじゃねぇよ。」 「ステファニーさんて性格が悪いんですか?」 私が聞き返すと彼は 「悪いもなにもコイツの神機は毒を使ってな、なんでそんな神機を使うんだって聞いたらコイツがな『毒で苦しむ姿がいいんじゃない。』つったんだよ。」 他にもな・・・ と全ての話を聞くと確かに性格は良くないということがわかった。 「この辺りがアーコロジー建設予定地になります。」 翌日、森を抜けて平地に着くと彼女はそう言った。 「付近にアラガミは確認出来ないので、確かにいい場所ですね。」 索敵もしやすいですし。 よく見ると離れたところに人が集まり建設が始まっていた。 「ところで、お前は1人しかいねぇのに、こっちに来たのか?」 「いや、今回はサカキ博士からの要望でブラッドのメンバーを連れていくといいって言われたから連れて来たの。」 シエルたちが来てるんだ。 また彼らと背中を合わせて戦えると思うと、とても嬉しい。 「建設の護衛中にヘリが堕ちて行ったから私が様子を見てくるからって、護衛を任せたの。」 彼女はそう言うと建設地に向けて歩き始めた。
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