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「次は、極東支部でと思っていたんだがな。」
「私もそう思ってたよ。」
ギルに言う。
まさか、また会うのがこんなに早くなるとは思いもしていなかった。
「アンタ、一人で見に行ったのはいいが結局、何があったんだ?」
ギルが問うとステファニーは
「敵襲だったよ。謎の神機使いのねー」
「とりあえず、積もる話は奥でしましょうか。 報告もありますし。」
私が提案すると、みんながうなづき、仮拠点へと移動する。
「報告は以上です。」
アラガミの集団行動。 本来の捕食対象ではない行動範囲への移動。 そして、謎の神機使い。
起こった様々な報告をした。
「話はわかりました。 集団行動と行動範囲外への移動はともかく、現れた神機使いは気になりますね。」
シエルが言うと今度はユウトが
「それだけじゃねぇ、ソイツの神機がリンドウと同じでアラガミ特有の神機構造だったのが問題だ。」
彼が言うとみんなが押し黙ってしまう。
「どうも臭うな。 誰かが糸を引いていても不思議ではない。」
ギルが言うと
「問題は隠す気がないことだよね。」
ステファニーが言う
「これからすぐにでも行動を起こすつもりなのか…それとも隠れる必要がなくなったかだな」
ユウトが言うと
「ゴッドイーターでもない奴が神機を扱っていたのならまだ敵は数がいるかもしれないな」
とギルが呟いた。そうであった場合はフェンリルとの戦争を企てているかも。
皆声には出さなかったがその可能性を考えていた。
「とりあえず、任務は遂行して行きましょう。 まずは、そこからです。」
話を打ち切り次の襲撃に備えることに集中できるように
「やっぱり、わかんねぇことだらけだな。」
「そうですね。 相手が隠す気がないにしてもこちらからでは行動が予測出来ませんからね。」
みんなと別れ、監視をユウトとすることになっていた。
「ところで、先ほどの戦闘の時に飲んだ錠剤は何だったんですか?」
「あぁ、あれは劇薬だ。 体内のオラクル細胞を活性化させて一時的にアラガミに近づけるためのな。」
「強制解放薬ではなくてですか?」
強制解放薬を使えば一時的に強力な力を一時的に行使することができる。
「それとは別だ。ほら、一錠やるよ。」
「それはいいんですけど、何が違うと言うんですか。」
そう尋ねると少し言いづらそうに
「元々定期的に注入されるオラクル細胞を過剰に分泌させるもんだ。 だから摂取し過ぎるとアラガミ化が始まる。」
「そんなっ!? それって危険なんじゃっ!」
「一度に服用し過ぎなければ身体がオラクル細胞の数値を元に戻そうとするから問題はねぇよ。」
「使用感覚は?」
「人にもよるが約一週間って所だな。」
そんな、劇薬を私に渡す理由は信頼と力を認められているから。
それ以外には無いと確信出来た。
だって、彼は優し過ぎるから。
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