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お前がブラッドとか言うところから来たやつか?」
言い方に恐怖を与えられてもおかしくはないはずなのに、そこにはむしろ暖かさがあった。
「貴方は?」
質問に答えなかったことを彼は肯定としてうなづき
「楠木 ユウト」
それだけを答えた。
それだけで良かった。 彼の名は極東で知れ渡っていたし、その強さにも納得できた。
「よう、久しぶりだなぁソーマにリンドウ」
前線に追いつき、彼はリンドウとソーマに挨拶をした。それは、短いものであったけれど、きっとこの3人にはそれで良かったのだろうと、そう思える挨拶だった。
「「久しぶりだな、リーダー」」
二人が同じ言葉を紡ぐ、この中が少し羨ましかった。
「んで、隊長殿? アリサはどうした。」
「アイツは多分過労だな。戦闘中にぶっ倒れてやがったよ」
私たちが敵を狩るよりも早く彼は戦う。その姿を見て少し憧れる。
「ったく、なんとかならないのか。」
ソーマは困った顔をしながら戦闘をしている。
結局、増援が来たのは1時間後で
ユウトが来たおかげでその前には100はいたであろうアラガミを討伐し終えていた。
増援が来て、驚いたのはブラッドのメンバーだったこと。
今はギルが隊長でシエルが副隊長だと言う。ナナは相変わらず、おでんパンを食べていた。
「君は、本当に私を驚かせてくれますね。」
アラガミの死骸を見て言った。
「いや、ほとんどユウトさんが・・・」
そう言うと、見慣れない彼に目を向けると
「彼が、楠木 ユウト・・・」
そう言って彼の方を見て一息つくとアラガミのコアを回収に向かう。
「アンタは、あまり変わってないようで安心したよ。」
ギルが笑いながら話しかけて来た。
「ギルは、隊長になったんだったっけ?」
少しわざとらしく言ってみると困った顔をした。
それが少し懐かしく思えた。
「まぁ、また極東支部に帰って来いよ」
そう言い彼もコアの回収に向かう。
私はユウトとリンドウが話しているのを見つけ近くに行く。
「お前、サクヤの所には帰ってんのかよ?」
「まぁ、たまにな?」
どうやら、奥さんと息子の話をしていたようで
「レンに会ってやらねぇと性格ひねくれんぞ?」
「まぁ、そこらへんはおいておこうじゃないか隊長殿」
「レン君は、息子さんでしたよね?」
私が尋ねるとリンドウが少し笑い
「ああ、そうだとも」
そう答えた。
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