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「あ…」
ゆっくりと開いた
目に映り込むのは
俺を心配そうに
覗き込む松田先生の顔。
「このバカ野郎!
無理しやがって!」
いきなり怒られたし。
「俺…行かなきゃ…」
「まだ無理だ」
「でも…さゆりが…」
無理やり起き上がろうとした俺を
松田先生が抑えつけた。
「あと10分待て。まだ透析中だ」
鬼の形相で睨まれて
しぶしぶまた寝転がる。
「二宮が悴田を拉致って
どーいうコトだよ?」
「…理事長の座を譲れって。
そうしないとさゆりも
親父も無事でいれると
思うなって言われた」
「なんだそりゃ」
呆れた顔で松田先生は
首を振っている。
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