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カチャリと小さく音を立て
ゆっくりと扉が開いた瞬間、
ドアノブを一気に引くと
松田先生が二宮に飛びかかった。
…どうやらやみくもに
ブルースリー映画を
見ていた訳じゃなさそうだ。
それを横目に、
俺は一気に部屋の中に
駆け込んで行く。
「さゆり!」
けれどリビングに
さゆりの姿がない。
片っ端から開いたドア。
3つ目に開いたドアの先、
キングサイズのベッドに
横たわっている
看護服姿のさゆりに
駆け寄った俺の目に
映り込んだのは…
空の小瓶と
…使用済みの注射器だった。
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