それぞれの日常と不思議な出会い

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 真宮晃之はふと何かを感じた。  辺りを見回すが誰かいる気配はしない。  カップ麺の蓋を開け、かやくやスープを入れ、水を入れた片手鍋をコンロの上におき火をつける。  リビングに戻りテレビをつけ、その前に置いてある机の上にコンビニで買ってきた弁当や箸を出していく。  父親が急に海外へ転勤となり母親と妹の瑠美がそれについていったのがつい一ヶ月前。  大学進学を控えていた晃之はここに残ることにしたのだが、両親と瑠美がいざ居なくなると急に静寂が家全体を包み込む。 「やっぱり寂しいな」  いつも誰かがいて騒がしかっただけに、誰も居なく静まり返っているのは正直寂しい。 「カップ麺、飽きてきたな」  愚痴ってみてもその声は響くことなく壁に吸収されて消えていく。  片手鍋の水が沸点に達したようで白い煙が上がり始めたためコンロの火を消す。  さぁ注ごうかと片手鍋を右手で持ったとき、急に床がなくなりあっと思う間もなくそのまま消えていった。
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