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「…だって赤ちゃん産めば兄さんは責任を負わなければならなくてそしたら一生私と一緒にいないといけなくなるでしょ?あら素敵」
「俺にとってはマイナスしかないけどな」
なんとか萌恵の手からズボンを外すと顔を洗いに部屋を出る。
「…放置プレイね。イケるわ」
「出てけ」
母を幼い時に亡くした俺は父さんの再婚相手の連れ子姉妹と三人暮らしをしている。え?両親なら世界一周クルーズが当たったとかでハネムーンがてら旅行に行ったきり帰ってきてない。時たま絵はがきが届くから心配はしていないけど早く帰ってこないかな。(切実)
なんて事を考えながらフラフラと洗面台に向かっているとリビングのドアが開く音がした。
出てきたのは柔和な笑みを浮かべた大人の女性の雰囲気を醸し出している義姉の南武結衣(なんぶゆい)姉さんだった。
「あら恭くん、おはよう」
「お、おはよう結衣姉さん」
「今日も早いのね。またあの雌ブt……萌恵が何かしたのかしら?」
今自分の妹を雌豚って呼ぼうとしたよね?確信犯だよね?
「ソ、ソンナワケナイジャナイデスカヤダー」
なにやら不穏な空気を感じたので庇ってみる。
「恭ちゃんは優しいわね。でもね、お姉ちゃんに嘘ついちゃ、やだよ?」
ゾッとした。姉さん、あなたはどこぞの雛◯沢症候群の方ですか?勘弁してください。
「恭ちゃんはお姉ちゃんのたった一人の大事な大事な子なのよ?それこそ目に入れても痛くないぐらい。そんな大事な子が他の女に触れられたり話し掛けれてるのが堪らなく辛いの。嫌なの。その女んころ「顔洗ってこようっと!」あ、こら!恭ちゃん話はまだ「今日から新学期なんだけど!」……全く、もう」
俺は慌ててバスルームに逃げ込むとドアを閉めため息を着いた。
『おっそろしいわー!』
「はぁ、まぁいいや。着替えよう」
「……兄さんの生着替え!」
「出てけ」
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