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夜の街に、女の子がやってきました。
着ているボロに不釣り合いな赤い牡丹で髪を飾っていました。
宿屋のおやじさんが女の子を拾って、住む場所と、名前と、仕事を与えました。
それまで物乞いをして暮らしていた女の子は喜びましたが、仕事はとても大変でした。
女の子は病気にかかって、間もなく死にました。
おやじさんは、女の子の死骸を原っぱへ捨てました。
死体の目玉はカラスが食べてしまいました。体は野犬が食べました。
骨だけか残って、その頭部を牡丹がすまして飾っていました。
26夜の月が、にたにた笑いながら骸を照らしています。
今夜のおはなしはこれでおしまいです。
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