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「どーするー? とりあえず、サッカー部から行く?」  下駄箱から靴を出そうとしている日南子に、わたしは「待って」と声をかけた。 「わたし、……やっぱり、決めた。─吹奏楽部に入る」 「え」  驚く日南子ににっこり笑ってみせ、 「わたし鈍くさいし、人より時間はかかるかもだけど、でも。 ……ゆっくりがんばる。 やりたいって思えたことだから」 「……ほんとっ?」  日南子は嬉しそうに顔を紅潮させた。  取り出しかけたローファーを靴箱に放り入れ、こちらに駆け戻ってくる。 「実はわたし、心の中ではもうほとんど吹奏楽に決めてたんだよね。 亜優と一緒とか、マジで嬉しいんだけど!」  そう言って、わたしの手を取る。
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