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「そうと決まれば、ねえ、入部届出しに行こうよ」
「えっ、……い、今?」
「今! 亜優の気が変わらないうちに。ねっ」
「ちょ、……日南子」
来た道をスキップで戻る日南子に手を引かれ、笑いながら歩き出す。
─この子と一緒なら、さらに楽しいかも。
わたしの胸も、日南子に負けないくらい躍っていた。
少し調子外れな鼻歌を聞きながら、保健室の前を通りがかったその時、ちょうど引き戸がカラカラと開いた。
─あれ……。
通り過ぎざま、出て来た女子生徒の姿が目に入る。
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