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 海水浴場の駐輪場から小路を抜け、視界が一気に開けると同時に、砂浜に転々と立つ色とりどりのパラソルが目に入った。 「よしよし、まだ空いてんな」  俊輔は伸び上がって地元の穴場である砂浜を見渡し、満足そうに言った。 「いつもの岩場の傍が空いてるみたいだから、基地そこにしようぜ。 ちょっと歩くけど」  そう言って飲み物の入った重いクーラーボックスを軽々と肩に担ぎ直し、ビーチサンダルの音をペタペタさせながら歩き出す。 「うー、まだ午前中なのになんなのこの日差しのジリジリ感……」  顔の半分を覆うほど大きなサングラスをかけた日南子がうんざりしながら日傘を開き、その後に続いた。
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