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「亜優ー、ごめん、背中塗るのお願いしていい?」 「あ、うん」  わたしは首の浮き輪を外し、日南子の方に正座して向き直った。  キャミを脱いでビキニ姿になった日南子からボトルを受け取り、ほのかに青みがかった白い液体を手のひらに取る。  日焼け止めから、夏の匂いがした。 「ねー亜優」 「んー?」 「今日のお弁当、中身なにー?」 「んーとね」  日南子のきれいな背中に手のひらを滑らせながら、 「から揚げと、タコウインナーと、卵焼きと、ブロッコリーと……。 あと、おにぎりは梅干しと、ツナ」 「やったあ、ツナ大好き」 「いっぱいあるから好きなだけ食べてね。 ─あ。でも、油断してるとあの二人に全部食べられちゃうかも。 ツナ人気だから。いただきます後にすぐキープしとかないと。 ─はい、出来た」 「サンキュ。じゃ、亜優にも塗ってあげる」 「ありがと」
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