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俺の彼女?
俺の彼女はね、
「 ーーーもう!話聞いてるの?!ねえってば! 」
「 聞いてるよ 」
「 本当に聞いてるの?!聞いてるなら何か喋りなさいよっ!」
「 はいはい、分かりましたよお嬢様 」
「 ほらまた子供扱いして!もう!」
ムスッとした顔で俺にあれこれ言ってくるわがまま娘は俺より3つ年下の彼女。いつも人に悪態をついてツンケンしては、後に後悔して落ち込んでいたりする。
そんな落ち込むくらいなら、ツンケンしなきゃいいのに、とも思う。
そんなある日、だ。
…まぁ、元はと言えば俺がちょっとしたイタズラ心からなったわけで。
彼女の家に来ていた俺は、彼女と一緒にテレビ番組をみていて。モデルなんかが出てる様なあれ。そりゃ勿論、スタイル良しで美人だとか可愛いかったりとかいる。
俺と同年代くらいか、ちょっと上のお姉様方がたくさんなわけで。
ちょっとからかってみようと思ったのが発端。
「 こういう大人って感じの人、いいよね。服装とか、雰囲気とか。ちょっと好みかも 」
「 ーーっ、ごめんね!彼女がこんな年下で子供で!服装だって子供っぽいし、見た目だって美人でもないし、そんなに可愛くもないわ!スタイルも良くないもん! 」
あ、やっぱり怒った。
もうちょっとからかってみようかな。
君はどんな反応をしてくれるの?
「 んー、そうだね。でも好みは人それぞれでしょ?だめなの? 」
それがどうしたの?っと、俺は余裕を見せ、首を傾げてみる。
「 っ、なによっ!貴方なんか!別に貴方みたいな奴なんかっ、こ、好みじゃないんだからっ!! 」
「 うん、知ってる 」
なんて言うのは嘘で、君のソレも嘘って知ってる。
そんな事で焦ってたら、年上としてどうよ?
ちょっとは余裕ってものがあるしね。
「 っ、知ってるならいいじゃない!もうアンタなんか知らないっ!! 」
「 …わかった。じゃあ、出て行くよ。嫌われてたら居ても仕方ないでしょ? 」
「 え、ちょ…ちょっと 」
そう言って俺はその場を立ち、ドアの前に立った。
ほら、はやく何か言わないと帰っちゃうよ?
「 え、だって好みじゃないんでしょ? 」
「 っ、ちが、うもん…! 」
そう言った君は、後ろから俺の服をぎゅっとつかんだ。
でも顔は俯いてるらしい。
声のトーンで分かる。
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