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怒鳴った後、彼女は俺の正面に立った。
目は潤んでるし、顔は少し赤い。
少し泣いてるんだな、きっと。
でもまだ人の愚痴をぶつぶつ言いながらまだ少し俯き気味な君。
ねぇ、はやく顔みせてよ。
「 じゃあ、何が違うの? 」
「 それは…だから、そりゃあ…貴方は、意地悪だけど… 」
必死になってるとこが可愛いから意地悪したくなるんだよ、なんて。
君には言ってあげない。
「 でも…、 」
「 でも? 」
「 …貴方のは…その、き…嫌いじゃないっていうか……、あんたじゃなかったら、嫌っていうか… 」
「 うん 」
「 …だから、貴方以外に意地悪されるのは嫌なのっ!分かりなさいよっ 」
あ、こっちみた。
やっぱ泣いてる。
顔真っ赤。
「 うん、知ってる 」
「 っ、バカ…。…ん、 」
そう言った君は、俺に少し捕まって
背伸びをして俺の顔の方を向いてる。
身長差があるからやっぱ脚はプルプルと震えている。
すごい、頑張ってるなぁ。
そんなとこも可愛いよ。
「 どうしたの? 」
「 …は、はやくしなさいよっ、レディに待たせる気っ? 」
「 何を? 」
少しニヤニヤしながら問いかけてみると
君は一気に顔が真っ赤になるのが分かった。
「 わ、分かってるくせにっ//// 」
「 んー、言って欲しいなぁ? 」
分かるけど、滅多に聞けないから
聞きたいの。
「 聞きたいな。どうしてほしいの?言ってくれなきゃ分からないよ? 」
「 ~っ!!////…い、一回…だけだからねっ 」
「 うん、ほら早く 」
「 分かったからちゃんと、聞いててよねっ 」
「 うん 」
大丈夫、いつもちゃんと君の話聞いてるよ。
どんなに小さい声でも、
ちゃんと聞こえてるから。
分かってていじめてるんだから。
「 …キス、しなさいよ…ばか/// 」
「 はい、よく言えました 」
「 ほらまたっ、子供あつかーーんっ、//// 」
「 だーめ、静かに。またそうやって文句言うと、塞ぐよ? 」
そう言ってやると、更に顔を真っ赤にする。
やばい可愛い。
「 …ばか//// 」
「 はいはい、バカで結構。バカですから 」
「 もう…貴方って、ずるい。ほんと意地悪だわ。…でも、貴方になら…少しくらい意地悪されても…いいけど、 」
「 うん、知ってる 」
クスクス笑ってやると、もう!と言われた。
でもその顔は少し笑ってて。
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