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***  わたしたちがやっと家の近くに辿り着いた時、時計の針は八時半過ぎを指していた。  いつもの橋の前で拓己と別れ、二人で自転車を押しながら坂道を登っていると、 「俺の言った通りになったよ」  俊輔が坂の上を見上げながら言った。 「言った通りって?」 「拓己がさ。次の大きい大会の予選で、ベンチ入りすることになりそうなんだ。 まだ決定じゃないけど、このままいけば間違いなく」 「……すごい……」 「すげえよ、マジで。 まさかこんなに早く入るとは俺も思ってなかったからさ。 やっぱ、あいつのセンスは格が違うんだよ」  俊輔は、自分の事のように得意げに言った。
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