第6話

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　横須賀という町は平地が少なく道路も少ないので、どこへ行くにも一旦はこの16号線を使わなくてはならない。

　そのため普段から渋滞は当たり前。

　夏になれば海に集まる観光客の車も加わり、さらに動かなくなる。

　バスで来ていたら、今頃このいつ果てるとも知れない行列に巻き込まれていたところだった。

「16号、自転車だと狭いとこあって危ないから、ちょっと起伏が激しいけど魔法の抜け道から行くぞー」

『魔法の抜け道』とは何なのか気になりつつ、疲れ切っていたわたしと日南子は揃って「ふあーい」という気の抜けた返事を返した。