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 言い返す気力もなく、わたしはとにかく必死でハンドルを押し上げ続けた。  車輪を階段脇のスロープに転がしながら、一段一段、後ろに転がり落ちないよう注意深く登って行く。  やっと一番上まで辿り着いた時には、わたしも日南子も限界を越えていた。  とても立っていられず、自転車をその場に転がし、アスファルトの上にへたり込む。 「……だから、……バスで来ようって、……言ったの……に……」  最後の力を振り絞り、日南子がなんとか恨うらみ言を言い切った。  何か応えてあげたかったが、今のわたしにはその余裕すらない。  全身が鉛なまりのように重く、すぐには立ち上がることすら出来そうになかった。  それでも、座り込んだまましばらく無言で安静にしていると、次第に呼吸が落ち着いてきた。
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