第1話

11/21
前へ
/23ページ
次へ
やめよう、そう決めた。 離れられる? そんなの嫌。 それでも、どうしても。 これから透と過ごす時間が、今までと違うのは明白で、一緒に過ごす時間が増えれば増えただけ、私の負の感情は大きく深く暗くなるだろう。 自分で自分を嫌いになる前に、透に少しでもましな私を見せられる内に、終わらせよう。 嫉妬で狂って何をするか分からなくなる前に、透に、綺麗な思い出として記憶して貰えるうちに。 だから、今日のクリスマスが最後。 笑ってすごそうね。 泣いちゃ駄目なの。 カーテンを開けた黒い窓に私の顔が映ってる。 口角を手で引っ張り上げる。 笑顔。 そう、言い聞かせて。 今のうちに刻んでおこう。 透との思い出。 いつも過ごしていた、透の部屋。 もう、ここに来る事はなくなるから
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

49人が本棚に入れています
本棚に追加