第1話

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逸る気持ちを抑えて、慎重に運転した。 それでも早く透の所へ。 だけど焦っての雪道運転は確かに危ないから。 分かってる、分かってるけど、進みたいのに進ませられないこの道がもどかしくて、アクセルを強く踏みそうになっては思いとどまって、それは尚更私のイライラを募らせた。 透。 事故って、どうして? どんな状態なの? まさか、まさか。 最悪の事までが浮かんでしまう。 そんなはずない。 私は今日、透とさよならをしようと決めていた。 けれど、それは私が透の前から姿を消すだけで、付き合いを終わりにするだけで、こんな、こんな最後じゃない。 違う、透。 こんな形では終わらせない。 だから、大丈夫。 透。 透。 お願いだから、無事でいて。 貴方が誰を好きでもいい。 私なんて暇つぶし相手でいい。 貴方が望むならどんな形でもいい。 お願いだから、無事でいて。 このままいなくならないでよ、透!
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