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逸る気持ちを抑えて、慎重に運転した。
それでも早く透の所へ。
だけど焦っての雪道運転は確かに危ないから。
分かってる、分かってるけど、進みたいのに進ませられないこの道がもどかしくて、アクセルを強く踏みそうになっては思いとどまって、それは尚更私のイライラを募らせた。
透。
事故って、どうして?
どんな状態なの?
まさか、まさか。
最悪の事までが浮かんでしまう。
そんなはずない。
私は今日、透とさよならをしようと決めていた。
けれど、それは私が透の前から姿を消すだけで、付き合いを終わりにするだけで、こんな、こんな最後じゃない。
違う、透。
こんな形では終わらせない。
だから、大丈夫。
透。
透。
お願いだから、無事でいて。
貴方が誰を好きでもいい。
私なんて暇つぶし相手でいい。
貴方が望むならどんな形でもいい。
お願いだから、無事でいて。
このままいなくならないでよ、透!
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