第1話

5/21
前へ
/23ページ
次へ
まだ、信じられない。 何も変わらないと思っていたのに、透と私の間は何も変わらないって… でも、それは変わりたくないと思っている私が見ていた錯覚で。 透の心は時間通りに流れていて、私の所では止まっていてくれなかった。 見てしまった、偶然。 見なければ良かったのに。 そうしたら私は今まで通り、透と一緒にいられたのに。 そう、見てしまった。 とても綺麗な女性だった。 同性である私が見惚れてしまうほどに。 素敵な笑顔の持ち主は、私が透を前にして笑う顔よりも、素で笑っていた。 可愛く見せようとか、考えずに、笑っていた顔。
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

49人が本棚に入れています
本棚に追加