第1話

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楽しそうに笑いながら2人が入っていったお店は、最近人気のある芸能人が婚約指輪を贈った事で有名になったジュエリーショップだった。 勿論婚約指輪、結婚指輪しか扱ってない訳じゃない。 単なるファッションリングや、それこそ指輪以外の物だって。 店内に入った2人が何を選ぶのか、見届けるべきだったのだろうか。 そんなの… 見たくなかった。 私はその場に立ち尽くして、それから… 逃げるように帰ってしまった。 どう帰ったか記憶がないのに、きちんと家に帰れているから、不思議と大丈夫なんだ、なんて、思ったっけ。 あれからいつも揺れていた。 終わりにしよう、と、知らない振りをしていれば、このまま透と一緒にいられるから、と。
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