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「俺さあ、陰陽師の子孫なんだぜ」
発端は、親友である芦屋清満のこの一言からであった。
下校中にいきなりそんなこと言われても、意味がわからないという人が多いだろう。
無論、彼等もそんな多数派だった。
「清満、嘘つけよ。お前みたいな奴が、怪しげな術者の訳ないだろう?」
「清満くん。冗談でしょ?」
竜貴は笑い飛ばし、若菜は微笑した。
「な、嘘でも冗談でもねぇよ!父ちゃんが言ってたんだよ!」
そう弁論する清満。しかし、信じられる訳がない。
昭和の不良としか言えないような、金髪をワックスできっちりと固め、背も百八十を越える長身である。
その上、学ランは喧嘩のし過ぎで中学一年生の夏にしてボロボロで、(喧嘩で)鍛え抜かれた腕や足は非常に筋肉質である。
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