左耳から流れる音。

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「あー、なんだ、そういうことかっ! なんかびっくりしちゃった。」 私は笑って一口メロンソーダを飲んだ。 竜太君、本気………なのかな。 笑ってごまかしたけど竜太君の考えていることがわからなくて、頭の中は混乱でいっぱいだった。 お父さんとお母さんが亡くなってから、婚約者を決めるだの、次期当主だの、そんなことばかりだった。 私は清水家の次期当主であって 清水組の次期頭首ではない。 私と結婚すれば次期頭首になれる。 だけど本当のところはどうなんだろう。 13代目の頭首のおじいさんも14代目の頭首になるはずだったお父さんも、男だったから、頭首も当主も務めることができた。 でも私は14代目の次期当主だけど、頭首にはなれない。 それは、おじいさん言う清水家の血を継ぐ頭首に反してはいることになる。 「なに難しい顔してんの?」
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