350人が本棚に入れています
本棚に追加
/1091ページ
竜太君が私のシワのよ寄っている眉間を指で押した。
「いや、なんて言うか、清水組の血を継ぐ頭首って言うけど私は頭首にはなれないから、そこはどうなんだろうと思って…。」
「あー、それはもう仕方ないんだよね。
頭の子供が万里奈の親父さんしかいないだろ?
それに、万里奈にも兄弟いないし、俺らは直結の血じゃないし、もうどうにもならないんだよ。
まあ、ここだけの話、表向きには万里奈も組の頭首ってことになってるんだ。
だけど、やっぱり女が組のトップっていうのはこの世界じゃタブーだし、頭も大事な孫娘になんかあったら、頭首がなんだとか言ってる場合じゃないしな。
だから組では頭首は万里奈の結婚相手になっているけど、表向きでは頭首は2人ってことになるらしい。」
間がよく私の頼んだグラタンが運ばれてきた。
店員が席を離れたのを確認して、竜太君は口を開いた。
「でも、血縁とかそういうのまだあるのはこの組だけだし、逆にこういうの守ってるから潰れないのかもな。」
皆が言わないだけで、私が知らないうちに表向きにはどうとか、血縁とか、きっといろいろ揉めたんだろうな。
最初のコメントを投稿しよう!