25(続き)

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25(続き)

 タツオはジョージの顔を見つめた。父親は全エウロペで名を知られた高名な軍人だったのか。五王財閥(ごおうざいばつ)の御曹司(おんぞうし)がいった。 「アルンデル将軍、あるいは銀の悪魔、駆け抜ける死神。きみの父上は電光石火の急襲作戦が得意だった。敵軍はその名をきいただけで震えあがったものだ」  温厚なジョージがひどく腹を立てている。身体(からだ)のどこにも兆候はあらわれていないが、タツオにはよくわかった。ジョージは静かに怒る男なのだ。 「それがどうした?」
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