キリマンジャロ-Kilimanjaro

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「ホント、ホント。  俺、一部始終見てたけど、  女子の集団ほど恐ろしいものはないと悟ったね」 勝と竜也のクラスメイトである田中は、 両手を広げ、大袈裟に肩を竦めた。 「それにしても。渡瀬と松崎って、  相変わらずスゴイ人気よね」 「はい。その先輩たち、  『勝さま』『龍さま』って呼んでました」 ファンクラブまである人気者は違う。 「ばっか馬鹿しい。  カッコイイって言ったって、  ただの高校生じゃないの」 「それがいいんじゃない?  自分たちだけのアイドルって感じで」 田中と杏奴は仲が良い。 家が近く、 小さい頃からの遊び仲間なのだとか。 杏奴は「腐れ縁」と言うけれど、 鞠弥にはその距離が何だか羨ましい。
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