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「じゃあ、私……」
「このままだと一人ね」
「やだぁぁぁ!」
私はテーブルに顔を伏せて喚いた。
私の中では、仲良し三人組でケーキを前に楽しく女子トークして、ゲームして、パジャマパーティーする計画ができあがっていたというのに。
家族にもそうやって過ごすって言ってあるのに。
今更、一人ぼっちなんて嫌だ!!
「じゃあさ、美海も彼氏作れば?」
平静と千佳ちゃんがミルクティーのカップを持ち上げながら言う。
泣きべそをかいた顔を上げると、千佳ちゃんがニッと口角を上げる。
「まだ一ヵ月あるんだし、なんとかなるわよ。私たちも協力してあげる」
「そうね」
智ちゃんも千佳ちゃんの言葉に同意して目を細めて微笑んでくれるけど。
ちなみに私、雨宮美海(あまみや よしみ)。
十七年生きてきて、未だに彼氏がいたことがない。
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