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「んだと!? この野郎!!」
「あぁ!? てめぇやんのかコラァ!!」
そんな怒声が昼時の大通りに響いた。キャンベルは溜息を零しながら呆れた視線を向けて興味が無いように視線を切る。
その隣で串を大量に口の中に突っ込むユースは不思議そうに首を傾げている。
「きゃんへるひゃん、とへないの?」
「喋るか食べるか、どちらかにしなさい」
止めないのか? と聞くユースは串を引き抜き、口を動かしながら喋る。
注意されたので黙ったまま食べるユース。
「あくまで食べるの優先なのね」
冷たい視線を向けられればそれを受け入れ、美味しさなのか氷のような視線の為か、頬が染め上がる。
しっかりと咀嚼したユースは怒鳴り散らしている男性二人に近付く。
キャンベルは少し離れた場所で見ているだけ。
「あのぉー、皆さんのご迷惑なので、やめた方が良いですよぉー?」
やけにのんびりした甘い声、男二人が視線を向けた先には小さい女性。
だが一部は大きく、僅かにたじろぐ男性二人。
「譲ちゃん、下がってな。コイツは男同士の話って奴だ」
「そうだぜ、怪我したくなかったら下がってろ」
お互いを睨みながらメンチを切る男性二人、その間に強引に割ってはいるユース。
「ダメですっ! 私まだお昼の途中なんですよ!? 気持ちよくご飯食べられないじゃないですか!!」
そんな二人に説教するユース。それはもう自分勝手な内容、ご飯が不味くなるから喧嘩はやめろと言っているのだ。
「譲ちゃん、俺らは本気なんだ、わかるな?」
「ユースだって本気の本気です! ユースのご飯の邪魔をしないでください!」
眉間に刻まれる皺が更に多くなる男性二人。
ハンマーと剣を取り出し、ユースに向けるのだ。
「いいですよ、そうですか、そうですね。こっちの方が解りやすいですもんね!」
対してユースも胸を張って男性二人を迎え撃つ。
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