第1話

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「あのっ、奥田君!」 廊下を歩く奥田君を追いかけながら声を掛けるが、奥田君は立ち止まる事なく歩き続けて。 「奥田君!」 制服の裾を掴んで引き留めると、やっと俺の方を向いてくれた。 間近で見るとやっぱりカッコイイな~。 黒縁メガネもスゴく似合ってるし。 「……何」 「あの、俺、吉岡陽太っていうんだ」 「……だから何」 奥田君が自分の制服を掴む俺の手を睨んでいて、慌てて手を離す。 「その~、俺、奥田君と仲良くなりたいんだけど」 「……」 突然こんな事を言われたら戸惑うのは当たり前だ。 奥田君も怪訝そうな表情で俺を見ているし。 でも、他にどう言っていいのか解らない。 「プリバニって知ってる?」 「……は?」 「日曜日の朝にやってるアニメ」 アニメ……? 何で今アニメの話? .
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