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「あのっ、奥田君!」
廊下を歩く奥田君を追いかけながら声を掛けるが、奥田君は立ち止まる事なく歩き続けて。
「奥田君!」
制服の裾を掴んで引き留めると、やっと俺の方を向いてくれた。
間近で見るとやっぱりカッコイイな~。
黒縁メガネもスゴく似合ってるし。
「……何」
「あの、俺、吉岡陽太っていうんだ」
「……だから何」
奥田君が自分の制服を掴む俺の手を睨んでいて、慌てて手を離す。
「その~、俺、奥田君と仲良くなりたいんだけど」
「……」
突然こんな事を言われたら戸惑うのは当たり前だ。
奥田君も怪訝そうな表情で俺を見ているし。
でも、他にどう言っていいのか解らない。
「プリバニって知ってる?」
「……は?」
「日曜日の朝にやってるアニメ」
アニメ……?
何で今アニメの話?
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