第1話

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「えっと~、ごめん。解んない……」 日曜はいつも遅くまで寝てるし、何のアニメが放送されているのも知らない。 「じゃあ、無理」 「え……」 それだけ言うと奥田君は俺に背を向けて、そのまま歩いて行ってしまった。 無理って……俺と仲良くなるのが無理って事? そのアニメを知らないから? まさかこんなにもあっさり断られるとは思っていなくて、ガックリ肩を落としながら教室に戻ると。 「陽太、どうかした?」 迎えてくれた田辺が俺の様子を見て心配そうにしていた。 「田辺、日曜日の朝にやってるプリバニって知ってる~?」 「知ってるけど? 姉貴の子供がよく見てるし」 田辺ですら知ってるんだ……。 知らない俺が悪いのか? 「何でそんな事聞くんだ?」 「うん、まぁ……ちょっとね~」 そのアニメを知らない為に奥田君にフラれたとは、田辺にも言えない。 いや、逆にそのアニメに詳しくなったら奥田君と仲良くなれるって事? 寧ろこれはチャンスなのか!? 「そのアニメってDVDとか出てるの?」 「いや? ウチは母親が孫の為に毎週録画してるけど」 田辺の手を掴み、グッと詰め寄る。 .
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