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「えっと~、ごめん。解んない……」
日曜はいつも遅くまで寝てるし、何のアニメが放送されているのも知らない。
「じゃあ、無理」
「え……」
それだけ言うと奥田君は俺に背を向けて、そのまま歩いて行ってしまった。
無理って……俺と仲良くなるのが無理って事?
そのアニメを知らないから?
まさかこんなにもあっさり断られるとは思っていなくて、ガックリ肩を落としながら教室に戻ると。
「陽太、どうかした?」
迎えてくれた田辺が俺の様子を見て心配そうにしていた。
「田辺、日曜日の朝にやってるプリバニって知ってる~?」
「知ってるけど? 姉貴の子供がよく見てるし」
田辺ですら知ってるんだ……。
知らない俺が悪いのか?
「何でそんな事聞くんだ?」
「うん、まぁ……ちょっとね~」
そのアニメを知らない為に奥田君にフラれたとは、田辺にも言えない。
いや、逆にそのアニメに詳しくなったら奥田君と仲良くなれるって事?
寧ろこれはチャンスなのか!?
「そのアニメってDVDとか出てるの?」
「いや? ウチは母親が孫の為に毎週録画してるけど」
田辺の手を掴み、グッと詰め寄る。
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