夢~かなわぬ物~

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あるところに、人魚の国がありました。そこは綺麗な国でした。 しかし、この物語は人魚が主人公ではないのです… 。 。 ここは海沿いの国。 港町が中心なせいか、国中が活気づいていた。 そこには、一人の王子がいた。 名前を フェイズリーフ=レインドルチェと言った。 フェイズは、この城の主の国王の嫡男であった。 しかし、この国では女が統括するのが掟。フェイズは絶対に王になることは許されなかった。 その上、王子は夢すら 追わせてはもらえなかった。 。 フェイズは、いつも思った。 『どうして、こんなにも自由で はないのだろうか?』 フェイズは籠のなかの小鳥。 ただ女王となる姉に仕えるため 日々勉強と稽古事をこなす それが日常だった。 ピアノにバイオリンにチェロ 楽器はほとんど毎日 ダンスに礼儀作法 自分を守るための剣術 万が一王となるときのための帝王学に一般教養 これがフェイズが毎日こなす 退屈な日常だった。 「まるで常温で脳が溶けていくようだ…」 これが口癖だった。
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